監獄の由来と背中の話。

 天気はいいけどこのマッサージ部屋、実は窓がない。

コンビニに行くときにはじめて雨が降ってたことに気がついた…なんてこともざらである。そもそも最初は机もまだなくて床で仕事していたっけ。無機質な空間、あるのは施術代と棚だけ、床に体育座りでPC仕事…だったから、まるで監獄ですな、と思ったんだった。とはいえ、私の書く小説には“監獄に閉じ込められている人”の描写が多いから、大いに参考になっているけれど。

 

 さて、昨日そんな監獄にきたのは若いお姉さん。営業レディでスーツのよく似合う、笑顔の可愛らしい方。肩と背中を、との事だったのでさっそくオイルを塗布…と、おっと背中が荒れている?

 

H「間違っていたらすみませんが、冷え性ですか?」

お姉さん「はい。体温低いんです…冬はいっぱい着ても寒いです。夜なんて眠れないくらい」

 

ん~。やはり。どういうわけか、冷え性の人は背中が荒れている人が多い。ニキビがやけに多かったり、毛穴がポツポツと浮いていたり。オイルを塗布するとあっという間に吸い込まれてしまう乾燥肌タイプも。ただ、背中が荒れる人にはもう一つの特徴がある。おなじみのストレスである。

 

 相手へ気遣うということはもちろんいいことなのだが、気遣いが“私さえ我慢していればよい”と変化してしまうとじわじわと溜まっていくのである。タチが悪いのは、本人には“我慢している”という自覚が全くないこと。むしろ溜めこまないタイプの性格…なんて思いこんでいることも。

総じてこのタイプの皆さんは、話すと気持ちの良い優しい人であることがほとんど。人間性はとっても素晴らしいが、世の中にはそんな人をうまく操るずる賢い人がいるのも事実。

 

 もっと自分勝手に生きていいと思う。そりゃ正しい行いをするにこしたことは無い。ただ、この世の中は“正しい行いでしたで賞”なんて出ないし、金一封くれるわけじゃない。正しかったんだねー、ふーん。で終わってしまうのが残念ながら世の常だ。

 

 当然私にも優しい。それは嬉しいけど、そんな人からわがままを聞き出せたら?面白い。心の奥の奥、自分でさえも自覚していない真の望みだ。

 

 プラス、このタイプの優しい人は、自己肯定感が少々低めの傾向がある。「私なんて…」「俺なんか…」この言葉、毒である。謙虚ではない。卑屈になる。この言葉を聞くと、「まぁ、なんて控え目な方なの」とはならない。言葉通り「貴方なんて」「あんた程度の人だしね」となってしまうのだ。

 

 だから、もっと自分くらいは可愛がってあげてもいいんじゃないだろうか?でもやり方が分からない、という。そんな人を、やっぱりお姫様と思い、執事のごとくお仕えすると、たった15分でも元気にお帰りになるんである。

 

~余談~

トマトジュースは無塩のが美味しいな。